強ぇ奴は何してようが強ぇんだよ

インターハイ千葉予選決勝、大太刀高校対石神高校副将戦まで収録。
一瞬に己の全てを賭けるんだから、熱くならないわけがない。

先鋒・三ツ橋vs間宮
単行本化にあたり早速わたしにかわいこちゃん認定された男、間宮圭一。インハイ予選編からの本登場でダチ高選手との因縁は特に無いが、一年生が異様な伸びを見せる中唯一レギュラーの座にとどまった彼も決して三下扱いは出来ないのだ!
前巻からの続き、“体”が出来ていない三ツ橋の全てを賭けた奇襲。
最終的には不発に終わり、荒木からは辛辣な言葉を浴びせられるが、國崎の士気が一気に上がるのだった。
ここだけじゃないけど、バトンのつなぎ方が本当に素晴らしい。
それにしても火ノ丸がこの先国宝と呼ばれる全国の猛者達とどう戦っていくのかがメイン展開だが、最弱である三ツ橋の力士としての成長がこの漫画のキモになる気がしてならない。


二陣・國崎vs荒木
全試合面白くて甲乙などつけられないのですが、単純に落としどころで言って良いならこの二陣戦が一番好きかもしれません。
レスリング王者と柔道王者の戦い。互いに今までやってきたスタイルを応用した取り組みの末に勝ったのは「相撲を取った」者だった。
レスリング部監督と部員の見守り方も、主将が荒木に掛ける言葉もそれぞれ胸に来るものがあります。


中堅・五條vs金盛
佑真の戦いは必ず妹の礼奈がヒロインの顔をしだすからそこが私的高ポイントです。しかも今回は佑真の内に秘めた苦悩を知ってしまったから新人戦の時とは観え方がまた違う。
痛い目を見たんだし、頭を下げた時点で謝罪は済んだことにしてもまんがとしては成立するのに相撲に嵌っていくにつれて罪の重さが圧し掛かる、そんな簡単に割り切れさせないっていうのが佑真のキャラクターに重みをもたせているが、贖罪ばかり抱えて火ノ丸や金盛や久世のレベルには到達しないのもうっすら見えて、そこが切ないし今後の楽しみでもある。


副将・小関vs真田
『真田さん元伝説のヤンキー』説がマコトだと思っていたため、第52番で「負けたら一生後悔します」の場面でビクッとしてたのは監督に矯正させられたからなんじゃ…と先走っていました。鳥取白楼戦で沙田に託さざるをえなかった苦しみを抱えていた故に「負けて後悔」という言葉に一番反応したんだ…。そしてそんな後悔と責任とプライドをもって、ナメるどころか最大限に警戒して臨んだ真田さんにも怖気づくことない、「成っちまった」部長は漢の中の漢。
相撲部を守るために戦った結果離脱することになっても、その間部内のことは金盛達に任せられるから、いずれまた戻れる前提の行動であるが、小関は誰にも見向きもされず、聞こえてくるのは馬鹿にする言葉だけ。この「おぞましい環境」の中でも折れずに我慢できるなんて狂気じみてると言い切る真田さんの眼には無欲の勝利というより執念が今の状況を引き寄せたという風に映るんだと思うと(良い意味で)ゾクゾクした。勝敗が決まるときの潮の表情が最高だな。


4コマ、プロフィールは和む。特に石高サイド。
お花屋さん間宮くんが可愛いということは何度も言いたい。
もしもダチ高石高メンバーが合同練習後に一緒にカラオケ行ってデュエットとかしたら組み合わせにかかわらず涎出ると思います。